今年(H23)は昨年(H22)の高気温による熱中症多発、また福島原発事故などからの節電も加わり、 熱中症は昨年以上に注意が必要でしょう。 労働安全衛生広報(2011.5.15)には「熱中症による送検事例」が掲載されています。 労働安全衛生法第22条、 同規則第617条違反の疑いで書類送検された、とのこと。 事業者は「多量の発刊を伴う作業場では労働者に与えるための塩及び飲料水を備えなければならない」こととなっています。 この事例では工場内に休憩場所や飲料水の自販機があり、口頭で注意したのみだったとのこと。送検されたのは 会社と現場責任者、送検したのは神奈川県内の所轄の労働基準監督署。
労働の科学(2011.66巻6号)では「温暖化する地球で熱中症とたたかう」という特集記事があります。 「熱中症の診断と救急対応」(昭和大学病院救命救急センター、三宅康史氏)の記事は医療者が もう一度熱中症の救急医療と経過、予防を復習するのによいと思います。 予防対策の事例として建設業の例(株式会社竹中工務店、小島政章氏)、製鉄所の例(新日本製鉄株式会社君津製鉄所、 瀧口好三氏)があります、予防のためにどんな準備をしているか、大いに参考になると思います。 その他、当センターの「定期刊行物記事検索」をご利用ください。 熱中症 と入力して「検索」ボタンをクリックしてみてください。
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今年(H21)は半月くらい早く暑くなっている感じがします。毎年この時期になると熱中症が心配になります。
労働安全衛生広報2009.6.1で、(株)日立製作所マイクロデバイス事業部産業医の中井幸江氏は熱中症の発生に
「誤解という落とし穴」が一役買っていると書いています。事例として5月末の球技大会で発生した2例を例示しています。1例は体育館内での開会式が始まって30分後に倒れた例。外は涼しくても体育館の中に多人数が集まって室温は高く
なったのかもしれないこと、この人はジーンズの上下で熱が逃げ難い服装だったことなどを原因としています。最近の若者は暑くても服を脱いで体温調節をするという知恵がない、とも。
もう1例は体育館内の球技大会で試合中に左脚のコムラ返りで倒れた例。単なる肉離れか筋肉痛と思っていたらどんどん悪くなってあわてて救急車を呼んだ例。運動で大量の汗を流し、水だけ補給していて塩分不足で熱痙攣を起こしたらしい。普段からバランスの良い食事をしておくこと、大会の前日などにはお酒を控えることなども予防として大切とか。
同じ労働安全衛生広報に「特集 熱中症対策〜基本と実例〜」があります。この特集のサブタイトルは「先手の水分・塩分補給と十分な休憩を」です。この記事では建設現場、製造現場、運送・その他の現場の発生事例を示しています。事例から「どうすれば防げたか、その現場になにが足りなかったか」を考えることができます。また、発生した時を考えた対策、「熱中症で死者をださないために」重要なポイントが書かれています。
以上の記事は、当センターホームページの目次から「定期刊行物紹介」に入っていただき、「定期刊行物記事 検索システム 」を起動し、「熱中症」で検索していただけば記事のタイトルが出ます。ご利用ください。
平成4年からの熱中症による死亡者数の推移は下図のとおりです。

月別では例年7月、8月が多いのですが、5,6月や9月に発生することも
あり注意が必要です。昨年度の発生状況は赤色で示しています。
時間帯別では、昼休憩後1時間程度たち疲れが出始め暑さもピークになり
はじめたたとき以後に多いようですが、体調によって朝の始業時まもなく
発生した例もあります。

年齢別では、50歳代にピークがあるようですが、これはこの年齢が
とくに被災しやすいというよりも全年齢にわたって被災の可能性は変わらず
労働者数の多い年齢で発生件数も多くなっていると思われます。
昨年度分については年齢別の統計は見つかりませんでした。(H21/7/1)
その他、業種別では屋外作業の業種で多いわけですが、とくに建設業で 多くなっています。また、作業人数からみると初日が最も多くなっています。 その他の詳細は目次から国の報告(をごらんください。
| 点検事項 | チェック | 留意事項 | |
|---|---|---|---|
| 管理体制 | 対策内容を作業員に周知していますか? | 作業計画に熱中症対策を盛り込んで下さい。 | |
| 熱中症対策の責任者と温度・湿度の環境測定の担当者を決めていますか? | 担当者をあらかじめ明確にしておいてください。 | ||
| 作業環境管理 | 作業場所の近くに涼しい休憩場所(冷房の効いた部屋や日陰)はありますか? | 防止のためには気温・湿度・輻射熱などに常に注意を払う必要があります。作業環境に問題あれば早急に対策を見直し、労働者の注意を喚起してください。広島産業保健推進センターには気温・湿度を連続測定する装置や気温・湿度・輻射熱を同時に測定する装置があり、無料で貸出しています。 | |
| 作業場所に温度計・湿度計を設置し、定期的に作業環境の測定を実施していますか? | |||
| スポーツドリンク等を備え、労働者が容易に水分や塩分を補給できるようにしていますか? | |||
| 身体を冷やすための準備(氷や冷たいおしぼり等)をしていますか? | |||
| 作業管理 | 作業休止時間や休憩時間の適切な確保を行なっていますか?当日の気象条件( 温湿度、日射量など)、作業内容、労働者の健康条件を考慮して適切に確保してください。 | 気温の上昇する夏季は、よりこまめに休憩をとるようにしてください。 | |
| 労力(エネルギー消費量)の大きな作業では連続作業時間を短くしてください。 | |||
| 健康管理 | 労働者の直近の健康診断結果および当日の健康状態を把握していますか? | 毎朝労働者の健康状態の確認を行なってください。 体調不良の者には熱中症の恐れがある作業を行なわせないなどの配慮をしてください。 | |
| 労働者の健康状態を踏まえて配置等を決めていますか? | |||
| 作業場所の定期的巡視をし、労働者の健康状態を確認し、適切な指導をしていますか? | |||
| 衛生教育 | 現場責任者、作業指揮者、職長などに、熱中症の症状、予防方法、緊急時の対応について教育していますか? | 雇入れ時、新規入場時、作業内容変更時などに、熱中症予防教育を必ず行なってください。 | |
| 労働者にも同じく、熱中症の症状、予防方法、緊急時の対応について教育していますか? | |||
| 救急措置 | 緊急措置マニュアルを作成していますか? | 熱中症の症状(意識が朦朧、皮膚が乾燥、体温が上昇、頭痛や吐き気)が認められた場合には速やかに救急措置をとって下さい。 | |
| 労働者の健康状態に何らかの異常が生じたら、迅速に医師に受診させるよう徹底していますか? | |||
| 近隣の病院等の所在地・連絡先を確認し、緊急時に備えていますか? | |||
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熱中症は極めて短時間のうちに重症になる場合があるので、
労働者の健康状態に何らかの異常が認められた場合、 迅速に救急措置を講じてください |
救急車が来るまでの間、被災者を放置せず、応急手当をする